藤井中学校:長期臨時休業の終わりを迎えて

中学校の時程には、昨年度までも7限後に「自学」という時間がありました。しかし、残念ながら有効活用はされておらず、ただの終礼の延長でしかありませんでした。そこで、この自学を今年度から有効に使うように昨年度に計画していました。全員を勉強のために座らせ自習をさせるという、本来の形に戻そうというものです。内容はおもにその日の復習です。当たり前のことですが、予習と復習は学習効果が高く、するとしないとでは大きな差がでます。これにより授業での勉強の効率を上げようというものです。しかし、しばらくの間、この自学の時間を休業の補講授業に使わせていただきます。この補習授業の実施には2つの方法がありました。
・夏休みはなくして今の時期と入れ替える
・自学の時間をなくして8限目として補講をする
他にも、日々の授業を9限授業にする、1学期終業式延長と2学期始業式前倒しで夏休みも8限授業にする、という意見もありました。しかし、単に延長するだけでいいんでしょうか?授業日数や時間合わせだけのために、生徒を追い込むような教育をしていいんでしょうか?子供たちの心の健康を考えると無茶なことであり、これは合理的なことではないと判断しました。そこで、無理がないように補講は40分として毎日の自学をそれにあて、夏休みは午前中に終わるように計画しました。これが、今回の学習補償の内容となります。
この臨時休業中、保護者の皆様も子供達と多くの時間接し、勉強のことも含めてたくさん話をしたり心配して声をかけたりすることが多かったと思います。先日、文科省が推奨したサイトを紹介するときに、「子供と一緒にどの問題をしようかと考えながらやってます。インターネットの中に自分に合った問題を探すことができるサイトがあったんですね。どんどん進めてみます。」と言われていた保護者もいらっしゃいました。中学校がこのサイトを見ていただこうと思った理由は、オンライン授業をするにしても子供達がパソコンに慣れないといけない、膨大な情報を的確に処理する練習をしなければいけない。そのためにはご家庭で例えば今回のサイトを開けばこういうのが出てくる、パソコンやスマートフォンは使い方によれば大変便利なものである、ということを親子で話ししながら子供達に発見してもらう機会になればいいなということの思惑もありました。
もちろん、勉強方法というものは学校で与えたもの以外にも色々な方法があり、それらをやってみていただきたいという思いはあります。ですから誤解していただきたくないのですが、「プリントを渡せば終わりだ。」というつもりで教員が考えたわけではありません。環境が整っていないご家庭もあるかと思います。インターネットサイトでの学習の方法は、そのまま画面でしたりプリントアウトしたりノートに写したりと色々ありますが、それは人それぞれです。ただ、膨大な数になってしまいますから、こちらの方である程度おすすめのところを示していないと、何百枚という印刷をしないといけなくなります。ですから教員の方でおすすめ問題を示すことによって、うまく使えない人のためにこちらでもプリントアウトしてお渡しできるようにと、それが可能な範囲ということで決めました。課題としたところが終われば、少し手を伸ばせばもっと問題がたくさん出てくるということを知って欲しかったのです。普段は与えられたプリントをするだけという人が多いでしょうが、自分でこういう風に選んで勉強もできるんだということもお知らせしたかったのです。先ほども言いましたがパソコンになれる機会も必要ですし、近い将来にオンライン授業というのは取り入れていかないといけないという状況で、きっかけを作ることも大事かと思いこのような課題の紹介もさせていただきました。何か疑問に思った時にパソコンなどで調べるなど、効率よくいい使い方ができるように慣れていって欲しいと思います。GIGAスクール構想が文部科学省から出されており、2023年度から始まる一人1台のICT機器時代に向けて準備はしています。通信環境の整備、ハードウェアの準備、ソフトウェアの選別、そして何より、使い手となる人間の教育が急務となっています。現在の在校生は全員が卒業してしまっていますから、これを声高に言う意味はありませんが、徐々に準備は進んでいます。
保護者の方々には臨時休業が長かった中、色々ご心配おかけいたしましたことお詫び申し上げます。6月の授業が始まってからは、慌ててバタバタと進めるのではなく、じっくりと内容を深めていきながら授業を進めてつつ、遅れを取り戻していきたいと思っております。

(文責:中学校教員)