日本野球科学研究会でのポスター発表

12月1日(土)、2日(日)に筑波大学で開催された第6回日本野球科学研究会で、本学教職員が研究発表を行いました。
野球科学研究会は、野球競技の普及・発展に寄与するために、野球競技に関する科学的研究を促進することや指導現場と研究者間での情報の流動性を高めることを目的とした学会です。
 
会場の様子

今回の発表タイトルは「科学的トレーニングによる中学生の身体能力の開発~香川県藤井中学校野球部の部員の身長増に向けた取り組み」です。
藤井中学校野球部は、科学的トレーニングに特化した練習を行っていて、創部2年で香川県大会と四国大会を勝ち抜いて全国大会に出場し、先日も2年連続で全国大会出場を決めるなど、その取り組みが全国的に注目されています。
研究会では、大学の研究者、スポーツドクター、元メジャーリーガーといった多くの野球関係者の前で、藤井中学校の取り組みの一部を披露しました。
発表の概要を以下にまとめていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
 
ポスター発表の様子

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藤井中学校野球部では、全米ストレングス&コンディショニング協会日本支部の認定トレーナー資格をもつ教員が顧問を務めています。
最新の科学的トレーニング理論に基づき、大型酸素ボックスやホグレル(初動負荷マシーン)などの運動トレーニング機器を導入して、選手の身体能力向上とケアを行っています。

今回の研究の前提は、身長は80%が遺伝で、20%が生活環境で決まるという統計調査と、身長の伸びを促すのは成長ホルモンであり、運動、睡眠、栄養という3つの要因が成長ホルモンの分泌を促進するという生理学的見識です。
特に、血中酸素濃度を高めることで、疲労を回復させ、良質の睡眠をもたらすと言われている酸素ボックスの効用に注目しつつ、これら3つの要因に日々配慮することで部員の身長が平均値よりもどのくらい伸びるのかを、平成28年度と平成29年度の入学生の身長と体重のデータを用いて計測しました。
結果は、データが少ないものの、平成28年度入学生に関しては身長の伸びに有意な差が見られるのではないか、というものでした。
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藤井中学校では通常の教育活動の他にもスポーツや国際などの分野でユニークな活動を行っていますので、今後も藤井中学校の活動にぜひご注目ください。

(文責:経営戦略室)