3月2日木曜日、卒業証書授与式に先立ちまして、理事長賞が授与されました。
そして午前10時、令和4年度卒業証書授与式が厳かに行われました。ユリーカホールで卒業式が行えたのは、実に3年ぶりの事でした。
この学年は入学から卒業までの3年間、最も新型コロナウイルス感染症の影響を受けた学年でした。
入学してたった1週間後には約2か月に渡る休校・分散登校となり、高校生活への期待はあっという間に先の見えない不安に変わってしまったことでしょう。その後も、マスクの着用が必須となった上に、声出し禁止やソーシャルディスタンス、黙食…人とコミュニケーションを取ることが難しい中での集団生活でした。
そんな彼らにも「青春」と呼べる高校生活を送って欲しい…、そう願いながらも行事の中止や延期を生徒に伝えること、とりわけ修学旅行の中止を伝えた時は私達教師も胸が張り裂ける想いでした。しかし、その後も諦めずに、最終的に時期や目的地は違っても、修学旅行を実現出来た時は最高に嬉しかったものです。
本日の卒業式において、卒業生の言葉からは、そのような制限された状況の中であったことを感じさせない位、仲間や教師との数多くの思い出が語られました。彼らの高校生活は決して可哀想なものではなく、そんな状況すら仲間と笑顔で乗り越えてしまう逞しさがありました。日々の学校生活や部活動で仲間と共に闘い、成長してきた日々こそ、彼らにとっての「青春」だったことでしょう。
また、在校生による送辞や保護者代表の言葉からも、多くの思い出が語られ、彼らが多くの方に想われ、慕われ、愛されて今日この日を迎えているのだと実感し、胸が熱くなる思いでした。
卒業式が終わる頃には雨も上がり、少し暗く厚かった雲も次第に晴れ、明るい春の陽射しとなり、高校を背に新たな世界へと向かっていく卒業生のみなさんの後ろ姿が輝かしく見えました。
これからの未来が明るく希望に満ちた世界であるようにと祈るとともに、卒業生の皆さんにエールを贈りたいと思います。卒業おめでとう!
(文責:高校教員)