12月6日(月) 修学旅行一日目。
朝早く、辺りはまだ暗い中で修学旅行団のバスは鳥取県に出発しました。途中休憩をはさみ、最初に訪れたのは鳥取砂丘でした。鳥取砂丘の歴史や特性の話を係員の方々に聞いた後、一面に広がる砂丘を目にした時、予想以上の広がりに思わず感嘆の声が漏れ、「馬の背」に向けて次々と歩みを進めていました。しかし、その広さと歩きづらさを甘く見ていた生徒たちは、早くも疲労困憊の様子を見せることとなりました。また、砂の美術館ではその素晴らしい砂の造形に感嘆の声が途切れることなく、次々と記念写真を撮り続ける姿が見られました。
午後からは鳥取大学の乾燥地研究センターを見学しました。様々な研究施設を回る中で、砂丘の植生や乾燥地帯における食料の研究、そこで生活を送る人々の文化など、興味深いお話をたくさん聞くことが出来ました。また、場所を移して賀露かにっこ館で鳥取県のカニを中心とした海産物を見て回りました。その後訪れた海鮮市場かろいちを訪れると、新鮮な海鮮や色とりどりのお土産物を前に、初日にもかかわらず何を買うか、家族に配送するかを悩む姿が見られました。
初日から盛りだくさんの修学旅行でした。御飯がおいしくて食べすぎて苦しむ生徒もいましたが、それぞれが数多くの気づきを得て、楽しく過ごせているように思えました。
12月7日(火) 修学旅行二日目。
本日は朝から砂丘アクティビティです。朝から空模様は怪しいものでしたが、大崩れすることがなかったため、パラグライダー体験、サンドボード体験、スノードーム作成体験、屋内屋外どれも実施することが出来ました。それぞれのグループに分かれてそれぞれ活動に取り組みましたが、活動を終えた生徒たちの顔はみな生き生きとしていて、どれだけ楽しかったかを互いに語り合っていました。サンドボード体験では時間の許す限り砂丘の斜面を滑り降りたそうです。男子の中には靴下が破れるほど挑戦し、砂まみれで帰って来た子もいました。パラグライダー体験は、予想に反して自分一人で飛ぶことになりました。怖気づき途中でやめた人は誰もおらず、その爽快感を楽しみました。ただ、器具をもって砂の丘を登るのが死ぬほどしんどかったそうです。スノードーム作成体験では砂丘の砂を用いたオリジナルのスノードームをそれぞれ作りました。完成した色とりどりのスノードームを手に、満足そうにしていました。
午後になると一気に天気は崩れ、雨の降る中、足立美術館を訪れました。横山大観をはじめとする様々な方による美しい作品を楽しみました。特に有名な庭園は、しとしとと雨の降る静かな雰囲気もあいまって、思わず見入ってしまうほどでした。また、玉造温泉では温泉街を散策しましたが、雨も一層強まり、足湯を堪能した後は早々にホテルに帰るグループと美容コーナーを巡るグループとに分かれました。
二日目は雨に降られるものの、屋外アクティビティも問題なく実施でき、逆に風情が高まった面もありました。それぞれが満足のいく活動ができたと口々にホテルでも語り合っていました。
12月8日(水) 修学旅行三日目。
この日は松江市内班別研修でした。八重垣神社をスタートしてそれぞれグループに分かれて松江市内の観光名所を巡りました。ただ、スタートの八重垣神社の「鏡の池占い」に手を出したばっかりに、一時間もここで足止めを食ってしまい早くも計画が狂っている班も見られました。同じグループの友人と市内観光を楽しみ、中には公共交通機関を上手く使えないで戸惑うグループもありました。また、着物をレンタルして華やかにおしゃべりをしながら松江城近辺を散策する女子グループもいました。人気の食事やスイーツを楽しむ一方で、歩き回って疲れた、とバスに帰って来てからは、ほとんどの生徒が力尽きて眠ることとなりました。
また、本日のホテルに向かう途上で出雲日御崎灯台や日御崎神社、弁天島の見える稲佐の浜で集合写真を撮りました。夕方の薄暗くなる中、雲間より差し込む日の光と波立つ海の幻想的な雰囲気に、皆思わず歓声をあげてその美しさを眺め続けました。日が沈み、薄暗い稲佐の浜では目の前に広がる海を目にして誰もが波打ち際まで駆け寄り、互いにふざけ合う様子が見られました。
三日目も終わりを迎え、少しずつ疲れも見えてきましたが、終わりを惜しむかのように全てのものを楽しみ思い出に変えていこうとする姿が印象的でした。
12月9日(木) 修学旅行四日目。
本日が修学旅行最終日となります。午前中は出雲大社を訪れました。それぞれの思いを胸に参拝を済ませた後は、神門通りでお土産や甘味のお店を散策しました。最後のお土産を買うチャンスとばかりに、精一杯楽しむ姿が見られました。
昼食をとると、今度は世界遺産として登録されている石見銀山へと向かいました。まずは石見銀山の全体像や歴史をジオラマや展示物を見ながら解説していただき、その後現地ガイドのお話を聞きながら鉱山跡へと向かいました。実際に到着するまでに数キロ歩くことになり、中には疲れてしんどそうな子もいましたが、励ましながら、そして、様々な石見銀山にまつわるお話を聞きながら歩き続けました。鉱山内部は意外と狭く、頭を打ちそうなほど天井が低いところもありましたが、銀やそのほかの鉱石を求めてこのような坑道を掘り進めた人の力のすごさをまざまざと見せつけられるようでした。
修学旅行全行程を終えて学校に帰着後、解団式を行いました。そこで今回の生徒代表を担った宮川君が旅行を振り返り、先生や保護者の方への感謝の気持ちを表しました。また、共に過ごす仲間には、これから待ち受ける大学受験を共に乗り越えようと呼びかけました。
新型コロナウイルスの影響で、従来予定していた海外への修学旅行は取りやめとなり、国内での修学旅行となりました。様々なことが慌ただしく、突発的な変更も多々ありましたが、生徒たちは柔軟に対応してくれて、しっかりと楽しむことが出来たと思います。
保護者のみなさま、大変お世話になりありがとうございました。
(文責:高校教員)